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シラバス(平成29年度)

Syllabus

博士前期課程(修士) / 実践看護学領域 / 老年看護学分野

老年看護演習Ⅱ(認知症看護)

Advanced Seminar Ⅱ in Gerontologica1 Nursing

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担当教員 川島 和代、久米 真代、遠藤 英俊
実務経験
開講年次 1年次後期 単位数 2単位 授業形態 講義・演習
必修・選択 選択 時間数 45時間
学習目的・目標 認知症の機序と治療方法、診断技術を理解し、重症度とBPSDのアセスメント能力を身につけて、認知症高齢者と家族の生活障害と心理的苦悩の理解に基づいた、高度で、専門的な生活への看護実践ができる。
認知症の疾患、重症度、BPSDのアセスメント方法が説明でき、実施できる
認知症の治療と薬物治療について理解できる
認知症高齢者の生活アセスメントができ、その判断をリスクマネジメント、自立した生活援助に結びつけた看護が説明できる
幅広いニードを有する認知症高齢者と家族の支援について、医療、保健、福祉の多方面の支援の必要性が説明できる
医療現場において治療を要する複雑な問題を有する認知症高齢者に対するキュアとケアを統合した専門的で高度なケア実践を考えることができる
授業計画・内容

《授業展開の方法》

最初に認知症専門病院で演習を行い、認知症高齢者の力、看護者の関わりから何を感じ、何を考えたかを意識できるよう討議し、2回目の演習では、疾患として捉えた事での変化について意識化する。
認知症の各疾患の診断基準、症状、進行に関する講義と自主学習により、認知症看護の特徴を理解して、具体的な看護実践を学ぶ。
認知症高齢者及び家族の手記を読んで、発表しあうことで看護の方向を討議する。
生活の援助の実際を講義と文献から学び、疾患の症状、BPSDに関連する要因の多様性を踏まえた専門的な看護実践を考える。
治療を受ける高齢者の看護について、文献から学び、討議する。
回数 内容 授業方法 担当
1 ガイダンス
認知症高齢者の看護の経験に基づいて、現在の認知症高齢者及び家族、看護の捉えかたを討議する。
討議 川島
2-4 【フィールド演習】
すこやかシルバー病院(福井県認知症専門病院)における認知症高齢者の関わりから看護を考え、スタッフの行動を通して看護を考える。
すこやかシルバー病院 川島
5-6 認知症疾患の機序、障害像から診断と治療方法を学ぶ
①認知症疾患の機序、障害像を理解する
認知機能評価から認知症の障害像を学ぶ(MMSE,HDS-R,CDR)
アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体病、前頭側頭型認知症の診断基準と症状・治療を学ぶ
講義 遠藤
7-8 ②認知症・BPSD・生活の関係を理解し生活援助の実際を学ぶ
認知症高齢者の日常生活に大きく影響する症状の理解をする。徘徊(歩行過多)、入浴、排泄の生活障害の捉えかたと看護援助の具体的方法を学ぶ。
認知症高齢者の残された力の見方と問題となる行動の対応を学ぶ。
講義 川島
9-10 ③認知症高齢者の視点から、心理的苦悩を理解する
認知症高齢者の手記を読み、中等度・高度認知症高齢者の体験世界を理解する。そのことに基づいて、重症度別、疾患別のコミュニケーション方法を学ぶ。
プレゼンテーション 川島
11-12 認知症高齢者における環境の影響を理解する
入院、入所時の認知症の人における環境の意味を理解し、具体的に考える。
講義
プレゼンテーション
久米
13-14 認知症高齢者における倫理的問題を理解する
文献から倫理的問題の内容を理解し、「なぜ、認知症の人に倫理的題が派生するか」について討議し、倫理的思考を身に付け、倫理的配慮の具体(自己決定などの支援など)を学ぶ。
討議
講義
川島
15-18 【フィールド演習】
すこやかシルバー病院(福井県認知症専門病院)において2回目の演習を行い、1回目の実習との視点の変化を考察し、専門看護師の認知症高齢者への看護の役割を明確にする。
演習 川島
19-22 他疾患で治療を要する認知症高齢者の看護について学ぶ
大腿骨転子部骨折で牽引をする認知症の高齢者の看護
人工透析における認知症高齢者の看護
講義
プレゼンテーション
川島
教科書 認知症の人の生活行動を支える看護 2014 改訂認知症の人の看護 医歯薬出版 2012
参考図書等 野嶋佐由美監訳:家族看護学 理論とアセスメント、第1版、へるす出版、1993 篠田道子著:高齢社会に求められるケアマネジメントサービス、第1版、医学書院、2003
評価指標 プレゼンテーション(疾患、認知症者の手記) 60%、レポート(フィールド演習、認知症高齢者の課題) 40%、 *4段階評価:大変積極的、まあまあ、普通、余り積極的でない
関連科目 老年看護演習Ⅰ、老年看護演習Ⅲ
教員から学生への
メッセージ
国家挙げての問題である認知症高齢者を支える看護師の役割を明確にし、拡大してゆくことがCNSの役割りです。認知症の看護においては、診断を含めた認知症の経過の中で、適切な看護を提供できる実践力が基本です。そのうえで、制度の意味を理解し、地域高齢者、地域力の理解を深め、改革する力を身につけてください。

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