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シラバス(令和2年度)

Syllabus

博士前期課程(修士) / 実践看護学領域 / 老年看護学分野

老年看護実習1(慢性期看護)

Advanced Nursing Practicum in Gerontological Nursing 1

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担当教員 川島 和代、中道 淳子、閨 利志子、森垣 こずえ、大黒 正志、中野 学、他
実務経験
開講年次 1年次後期・2年次前期 単位数 6単位 授業形態 実習
必修・選択 選択 時間数 180時間
学習目的・目標

本実習は2段階に分けて、①金沢医科大学病院高齢医学科/公立能登総合病院のいずれかで実施される。
第1段階では、多様な治療環境において、寛解期と増悪期を繰り返しながら長期にわたって健康問題に向き合っている高齢者と家族に対し、疾患の病態生理と治癒過程に基づいた診断、高齢者特有の臓器相関・症状の経過に影響する加齢変化を踏まえた全身アセスメント、症状の経過についてのモニタリングの方法を学び、医師の包括的指示を理解する。その上で、家族介護力と年齢に関連するセルフケア能力の低下、患者自身の意思を総合的に判断し、治療(キュア)とその人独自の生活支援(ケア)を融合させ、在宅(施設)を視野に入れた継続的な看護を習得する事が目的である。
第2段階では、認知症と肺炎など複雑な健康問題を持つ高齢者を対象に、上記の目的をさらに深めて、高齢者・家族を対象にした症状改善及び生活改善のためのダイレクトケアを修得しつつ、CNSの直接的指導のもと、専門看護師に必要とされる6つの役割(実践・相談・調整・教育・倫理調整・研究)について見学(一部実施)して学ぶ。
[行動目標]

1) 高齢患者の診断や病態、状況を包括的にアセスメントし、高齢患者と家族が抱える複雑な健康問題に対し、治療方針がいえる
2) 慢性期疾患の悪化によって治療が必要な高齢患者と家族に対し、医師の包括的指示を理解し、疾患・症状の経過の予測のもと、治療処置(キュア)と生活支援(ケア)を融合した看護目標の設定と効果的なダイレクトケアを計画・実践・評価できる
3) 他組織・他職種との情報交換、目標共有の機会を設定し、「相談・調整・倫理調整」の実際を学び、高齢患者の回復過程における看護の専門性を理解できる
4) 長い経過で増悪、寛解を繰り返す高齢者の慢性期疾患に特有の課題として、退院調整における他病院や施設・在宅との連携の役割を一部実践することができる
5) 実習指導者および教員と相談し、高齢患者や家族、スタッフなどに向けた「教育」の役割を一部実施できる
6) 受け持ち高齢患者に関する相談、調整、倫理調整など、CNSの役割機能の実際に参加する
授業計画・内容

【第1段階:慢性期看護実習】
1.実習期間:1年次後期 3~4週間     2.実習場所:金沢医科大学病院高齢医学科病棟   3.実習指導者:直井千津子(金沢医科大学病院
CNS)、森垣こずえ(同CNS)   4.実習内容:院生のサブスペシャリティや学習目標にそって計画する。
※中間カンファレンス:2週目末(教員、実習指導者、病棟スタッフ)最終カンファレンス:3週目末(教員、実習指導者、病棟スタッフ)

 
期間 内容
1週目~2週目
診断・治療の
学び
(1) 専門医の指導のもと、糖尿病、脳血管障害、循環器疾患、呼吸疾患等の慢性期疾患の増悪期もしくは合併症発症における高齢者に対する診断・治療・検査の判断における高齢者特有の方法を、外来、病棟で学ぶ。
(2) 医師の包括的指示の理解をする。
1週目~3週目
受け持ち患者
看護実践
1) 医師の包括的指示のもと、急性増悪期、合併症による症状を改善するための高度なダイレクトケアを実施する
2) 症状改善による急性期からの早期離脱を目的に、治療(キュア)とその人独自の生活支援(ケア)を融合させた看護を学び、予測的リスクマネジメントと生活の質の維持の専門的看護について判断する。
3) 寛解期と増悪期を繰り返しながら、長期にわたり健康問題に向き合っている高齢者と家族のセルフケア能力、患者自身の意思を見極めて、可能な限りの能力維持を目的にした教育的看護を実践する。
4) 在宅(施設)を視野に入れた継続的な看護のあり方を、高齢者・家族、他職種と他機関と共に判断する。
CNS役割
1) 受け持ち患者に関連したCNSの役割機能については、CNSの指導のもと、参加する。

【第2段階:CNS役割実習】
1.実習期間:2年次前期 3~4週間     2.実習場所:公立能登総合病院循環器病棟        3.実習指導者:閨利志子(公立能登総合病院CNS)
※中間カンファレンス:2週目末(教員、実習指導者、病棟スタッフ)最終カンファレンス:3週目末(教員、実習指導者、病棟スタッフ)

             
期間 内容
1週目~3週目
受け持ち患者
看護実践
1) 医師の包括的指示のもと急性増悪期、合併症による症状を改善するための高度なダイレクトケアを主体的に実施し評価する。
2) 症状改善による急性期からの早期離脱を目的に、治療(キュア)とその人独自の生活支援(ケア)を融合させた看護を学び、慢性期ケアにおける予測的リスクマネジメントと生活の質の維持の専門的看護について実施する。
3) 寛解期と増悪期を繰り返しながら、長期にわたり健康問題に向き合っている高齢者と家族のセルフケア能力、患者自身の意思を見極めて、可能な限りの能力維持を目的にした教育的看護を実践する。
4) 在宅(施設)を視野に入れた継続的な看護のあり方を、高齢者・家族、他職種と他機関と共に判断する。
5) 退院に向けた地域連携室の役割を学ぶ。
CNS役割
1) 受け持ち患者に関連したCNSの6つの役割機能全てにおいて、CNSの指導のもと、参加する。
2) スタッフ教育の役割については、一部実施する。
3) 受け持ち患者の経過を通して実施した看護の評価をおこない、慢性期ケアにおける自分の課題を明確にする。
教科書

なし

参考図書等

適宜紹介する

評価指標

実習計画・実習への取り組み30%、カンファレンス 30%、レポート(事例検討資料含む) 40%で評価

関連科目

病態生理、臨床薬理、フイジカルアセスメント、老化過程と病態、老年看護学演習2

教員から学生への
メッセージ

老人CNSの卓越した看護実践の展開を実習を通して学びながら、複雑な症状を呈する慢性期疾患高齢者特有の、キュアとケアを統合した高度な看護、家族を含めた教育・指導及び地域連携について学んで欲しい。

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