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シラバス(平成31年度)

Syllabus

学部 / 人間科学領域 / 導入科目

生物学

Human Biology

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担当教員 多久和 典子
実務経験
開講年次 1年次前期 単位数 1単位 授業形態 講義
必修・選択 選択 時間数 15時間
学習目的・目標

目的:
生命のしくみ(生物学)の原則を理解し、ヒトのからだの構造と機能の基本を分かりやすく面白く学ぶことを目的とします。いのちの起源は?遺伝のしくみは?そして、40億年をかけ、誰がデザインしたのか、ほとんど奇跡といえる過程を経てできあがった形態と機能の調和。人体の「いのちのしくみ(=生物学)」を正しく理解することは、さまざまな疾病の病態生理(どのようにして病気になり、その症状が生じるのか)を理解する基礎となります。また、どうしてその薬が効くのか、という疑問にも答えることが出来ます。
目標:
(1)40億年の生命の歴史をたどり、ヒト(Homo sapiens)がどのようにして地球に出現したのか、子々孫々世代を超えて生命が継承される遺伝のしくみを理解する。
(2)生命の基本単位である細胞の構造と機能(核、細胞膜・細胞質・細胞内小器官のそれぞれの働き)を理解する。
(3)細胞増殖はDNA複製⇒細胞分裂のサイクル(=細胞周期)を規則正しく繰り返して行われることを理解する。
(4) たった1個の受精卵はプログラムに則った細胞増殖と細胞分化を経て二百数十種類の細胞からなる人体へと成長すること、細胞分化は、眠っていた遺伝子DNAが働き始めること、すなわち、RNAへの転写、タンパク質への翻訳を経て、そのタンパクが独自の働きを遂行することにより実現することを理解する。iPS細胞とこれを用いた再生医療についてその原理を理解する。
(5)人体の60%は体液と呼ぶ液体であり、細胞内液と細胞外液はまったく異なる組成を保っていること、体内で細胞を取り巻く環境を内部環境といい、その実態は細胞外液であること、内部環境の恒常性維持が生命維持にとって不可欠であることを理解する。
(6)人体を構成する器官・器官系と各々の働きの基本を理解する。

授業計画・内容
  回   内容
  1 生命の誕生と継承、遺伝のしくみ
  2 細胞のしくみと働き、細胞周期、細胞分化
  3 内部環境(=細胞外液)の恒常性維持
  4 血液と血液循環(血液・造血器系と循環器系)
  5 酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する(呼吸器系)
  6 栄養素を取り入れる(消化器系)
  7 老廃物を尿中に排泄する(腎・尿路系)
  8 体内の情報伝達のしくみ(神経系と内分泌系)
教科書

「なるほどなっとく!解剖生理学」(南山堂):是非通読してください。

参考図書等

「カラー図解 人体の正常構造と機能」(日本医事新報社):美しいイラストでわかりやすく、広く読まれている。
「文系のための生命科学」(羊土社):脳、がん、生命倫理についての章も設けられていて面白い。
「カラー図解 大学生物学の教科書」 第1巻 (講談社):米国の大学で使われている生物学の教科書抜粋。
「やさしい基礎生物学」(羊土社):カラーイラストでわかりやすい。
「解剖生理学」(医学書院)
「なるほどなっとく!病理学」(南山堂)

評価指標

試験 100%で評価します。

関連科目

解剖生理学、代謝と栄養、疾病・障害論I, IIA, IIB, IIC、看護学の各科目

教員から学生への
メッセージ

看護職プロフェッショナルをめざす皆さんにとって、細胞の構造と機能、遺伝のしくみや、ヒトの生命活動の基礎となる人体の構造と機能を正しく理解することは、1年次にやっておかなければならない必須事項です。
これなくして、今後、疾病・障害のなりたち(病態生理)、症状、治療法を理解することは出来ませんし、最善の看護を提供することはできません。生物のいのちの仕組み、なかんずく、人体の構造と機能は、生命現象を正常に遂行し、健康に活動するために、隅々にまで最適なしくみが秘められています。このすばらしさを知り、驚き、感動するところから始めましょう。本質的に重要なことに焦点を当て、筋道だてて正しく理解しましょう。

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