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シラバス(平成31年度)

Syllabus

学部 / 看護専門領域 / 健康・疾病・障害の理解

疾病・障害論 Ⅰ(概論)

Diseases and Disorders I (Basics)

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担当教員 多久和典子
実務経験
開講年次 1年次前期 単位数 1単位 授業形態 講義
必修・選択 必修 時間数 15時間
学習目的・目標

目的:
「疾病・障害論Ⅰ・ⅡA・ⅡB・ⅡC」のシリーズは、1年次と2年次、計2年をかけて、医療の原則と疾病・障害の基礎知識を学びます。シリーズ最初の「疾病・障害論Ⅰ」は、はじめに『医療学入門』として医療の原則と概念を学び、医療者に共通する考え方を身につけます。患者さんは心身の不具合を治してほしいから医療機関を受診します。初診の患者さんについて、どのようなすじみちで正しい診断が得られ、ふさわしい医療・ケアが提供され、軽快・治癒が得られるのか、その論理を正しく理解しましょう。その上で、疾患を理解する基礎となる病態と症状・徴候の関連を学びます。どこが、どのような原因で、どのように異常になったとき(以上を病態といいます)、どんな自覚症状となって現れるのか、また、客観的にどんな徴候(他覚所見ともいいます)が現れるのか、その知識は疾患を理解する基本であり、患者に最善のケアを提供するために必要不可欠です。
目標:
(1)患者の主訴・病歴と身体診察から臨床推論し、必要な臨床検査を行って正しい診断を確定し、心身にわたり病状を正確に把握すること、その上で、将来にわたり患者にとって最善の結果が得られる治療法を選択し、患者への説明と同意(インフォームドコンセント)に基づく患者の自己決定に従って治療が開始され、患者の望む治癒・軽快に至る。このような医療の原則を理解する。
(2)患者を中心とした、信頼関係で結ばれた多職種の協働によるチーム医療、医療者に求められる資質について説明できる。
(3)疾病の軽快・治癒は患者自身の生命活動によるものであり、医療はそれが最大限に発揮されるよう手助けする手段に過ぎない。したがって、患者への生活指導が医療者の重要な役割の一つであることを理解する。
(4)人体を構成するさまざまなシステム(器官系:循環器系、呼吸器系、消化器系(消化管と肝胆膵)、腎・尿路系など)の解剖生理学の基本知識の上に、さまざまな症状・徴候(症候学)の基本概念を学び、その背景にある病態との連関を理解する。ある症状(例えば呼吸困難)を引き起こす病態は単一ではないこと、したがって正しい診断に基づく治療を選択することがいかに重要かを理解する。

授業計画・内容
内容
1 医療学入門(1) 正しい診断にいたるすじみちと最善の治療の選択
2 医療学入門(2) 疾病・障害のなりたち(総論)
3 病態と症状・徴候(1) 心血管疾患(心臓、冠状動脈、脳血管、大動脈・肺動脈、末梢動脈の疾患)
4 病態と症状・徴候(2) 呼吸器疾患(上気道、下気道・肺、胸膜の疾患)
5 病態と症状・徴候(3) 消化器疾患(消化管と肝胆膵の疾患)
6 病態と症状・徴候(4) 腎疾患・尿路疾患
7 病態と症状・徴候(5) 代謝疾患・内分泌疾患
8 病態と症状・徴候(6) 神経・筋疾患
教科書

看護のための臨床病態学(南山堂)、配布資料

参考図書等

なるほどなっとく!解剖生理学(南山堂)、なるほどなっとく!病理学(南山堂)
カラー図解 人体の正常構造と機能(日本医事新報社)
看護師・看護学生のためのレビューブック(メディックメディア)
日野原重明著「医学概論」(医学書院)(注:各学生が図書館から借りることができます)
看護師国試対策 START BOOK  解剖生理と疾病の特性(南山堂)

評価指標

成績判定の対象者:出席2/3以上、課題をすべて提出している。
定期試験の結果 100%で評価する。

関連科目

解剖生理学、生物学、代謝と栄養、人間病態学、フィジカルアセスメント、看護学の各科目

教員から学生への
メッセージ

苦痛や不安を抱えた患者が医療機関を訪れたとき、どうしてほしいと思っているでしょうか?安心・安全?心のケア?それだけではありませんよね。一番してほしいことは、病気を治すこと、もし治らない場合は、できるだけ苦痛を取り除き、なるべく自分がこうしたいと思うように過ごせる時間を作り出すことではないでしょうか?
そのためには正確な診断と相応しい治療・的確なケアが必要です。看護職は患者の最もちかくにいて、患者の身体症状や心の動きを一番早く察知する医療者です。病態に相応しい症状のコントロールのプロフェッショナルでなければなりません。基本的な医学知識は不可欠です。
看護職に限らず、医療者のミッションは、患者を第一に考え、将来に亘りその患者自身にとって最大の利益が得られるように考え、行動することです。そのためには、専門知識、専門技能、温かい心とそれを態度に表し伝える能力が必要です。その根底にはいつも誠実であることが求められます。
患者に選ばれるあなたになれるよう、これから誠実に学んでいきましょう。

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