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シラバス(平成30年度)

Syllabus

博士前期課程(修士) / 共通科目 / 共通科目

病態生理学

Advanced Pathophysiology

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担当教員 多久和 典子、石川 倫子、吉村 光弘、石田 千穂、北村 立
実務経験
開講年次 1年次前期 単位数 2単位 授業形態 講義
必修・選択 選択 時間数 30時間
学習目的・目標

《学習目的》
さまざまな症状・徴候を呈する患者に対し、単に対症療法的なケアにとどまらず、メディカルエビデンスに基づいた最善のケアを提供できるよう、症候の背景にある病態生理の医学的知識を獲得する。
《学習目標》
主要な疾患について、疾患概念、病因、病態生理と症候(症状と身体所見)・検査所見・治療の原則を関連づけて理解する。その知識に基づいて、病歴とフィジカルアセスメントの結果から臨床推論し、根拠に基づいたベスト・プラクティスを提供できる能力のレベルアップをはかる。

授業計画・内容
  回   内容   授業方法   担当

  1

人体の正常構造・機能と疾病の成り立ち(1)

講義・討議

多久和

  2

人体の正常構造・機能と疾病の成り立ち(2)

講義・討議

多久和

  3

循環器疾患: 高血圧、虚血性心疾患、心不全、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症、ショック、先天性心疾患、心臓弁膜症、喫煙と循環器疾患

講義・討議

多久和

  4

呼吸器疾患: 呼吸の生理、呼吸不全の病態生理、閉塞性障害と拘束性障害、気管支喘息、COPD、間質性肺疾患、ARDS、肺血栓塞栓症、肺がん

講義・討議

多久和

  5

血液の生理学と病態生理学: 血液・造血器疾患、血栓傾向と出血傾向(DICなど)

講義・討議

多久和

  6

免疫のしくみと免疫異常による疾患: アレルギー性疾患、自己免疫疾患、免疫不全

講義・討議

多久和

  7

消化管疾患: 上部消化管疾患・下部消化管疾患

講義

多久和

  8

肝・胆・膵疾患: 黄疸の病態生理、ウイルス性肝炎、アルコール性・薬剤性肝障害、肝硬変、門脈圧亢進症、肝細胞がん、膵炎、膵がん、胆道系疾患

講義・討議

多久和

  9

内分泌疾患: 内分泌系の生理学、下垂体疾患、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、副腎疾患

講義・討議

多久和

  10

代謝疾患:糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、高尿酸血症

講義・討議

多久和

  11

腎・尿路系疾患: 腎臓の生理学、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、腎臓を悪くするそのほかの病気、電解質たんぱく尿・血尿の意味、慢性腎臓病(CKD)

講義

吉村

  12

脳・神経系疾患: 神経疾患の病態生理、脳血管障害、脳炎・髄膜炎、免疫性神経疾患、遺伝性神経疾患、パーキンソン病・パーキンソン症候群、神経変性疾患

講義

石田

  13

認知症: 認知症総論、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、認知症の薬物療法、生活機能からみた認知症医療

講義

北村

  14

検査所見のみかた・考え方

講義・討議

多久和

  15

病態生理学の知識の看護への活用

討議

石川

教科書

『臨床病態学』(総論・1・2・3巻 第2版; ヌーベルヒロカワ):各疾患について分担執筆者による詳しい記述あり。章ごとの差は否めないが、辞書のように活用できる。

参考図書等

『病気がみえる』(各巻; メディックメディア):医療者が詳しく知りたい時に手軽にある程度深く学べる。
『カラールービン病理学―臨床医学への基盤』(西村書店):数ある病理学の成書の中でも優れた1冊。
『臨床病態学』(小児編; ヌーベルヒロカワ)
『なるほどなっとく病理学』(南山堂):深い内容を分かりやすく解説。「そうだったのか」と読んでいて面白い。
『なるほどなっとく解剖・生理学』(南山堂):病態生理の基礎となる人体の正常構造と機能、わすれていたら手軽に確認できます。
ほか、フィジカルアセスメントであげた教科書・参考書

評価指標

出席 30%、討議・レポート 70%

関連科目

フィジカルアセスメント、臨床薬理学

教員から学生への
メッセージ

患者さんの症状・徴候から正しい臨床推論を導き出し、適切なケアにつなげるために、病態生理の正しい理解が欠かせません。病歴聴取・フィジカルアセスメントに際して、何に注目するのか、どこを見逃してはいけないのか、さらに、血液検査や画像検査のみかた・考え方も含めて、質の高いアートを可能にするサイエンスの理解をさらに深めましょう。治療薬の作用機序の理解も病態の理解の上に成り立ちます。病態生理とフィジカルアセスメントは表裏一体であることから、両者を行き来しながら学んでいきましょう。

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