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地域貢献の取り組みについて(2012年3月)

 本学は、以前から地域ケア総合センターを設け、数々の事業を行ってきました。これは、看護職の支援や地域での直接的な事業展開を担ってきた教員の皆さんが誰よりもよくご存じのことです。開学以来ほぼ10年間懸命に地域に尽くしてきたといっても過言ではないと感じています。平成22年度にはかほく市との包括的連携に関する協定という形で、誰にでも見える形で実を結びました。

 一方で、教育と研究に続く大学の第3の使命として地域貢献がクローズアップされ、世の中は地域貢献ブームのようになってきました。これは、平成17年に中央教育審議会が文部科学大臣に答申した「我が国の高等教育の将来像」が弾みをつけたものだと思っています。そしてこのブームの中でふと気がつくと、石川県下の大学も具体的な対となる地域を明確にしたうえでのさまざまな取り組みをやっているではありませんか。また、そのような取り組みに対する助成金などの資金提供もあるではありませんか。

 今年度、本学は思い切って石川県地域連携促進事業に応募して採択され、「来人喜人里創り創成プロジェクト」というプログラムで能登町と交流を始めました。リーダーの浅見教授のもとで創造性あふれる取り組みが展開されています。近年のこのような取り組みの特徴は、学生を中心に置いていることです。そのことに早くから着眼した垣花准教授の学生を巻き込んだ地域での活動も、平成24年度からは同事業で「かほく市発ヘルスプロモーション事業」というプログラムとして採択されて走り始める予定です。そうです。“学生のうちから大人の社会に混ぜてもらうこと”は学生にとってとても大切なことで、地域貢献というのは一方通行ではなく大学も得るところ大なのです。学生の皆さん、本学のこの2つのプログラムに積極的に参加してみてくださいね。

 上記の答申でも述べているように、教育や研究も長期的な観点からの社会貢献といえます。しかし、公開講座などの生涯学習機能、産官学連携、国際交流などのより直接的な貢献も求められるようになっています。この点については、冒頭で述べた地域ケア総合センターの事業として、従来からの精神を忘れず、しかし焦点化し、アクセシビリティを高めて一層強化して行っていく予定です。

学長 石垣 和子
2012年3月 IPNU キャンパスネット vol.21より

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