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人材育成事業「ケアのデザイン 手のケアを見直す」(1回目)開催しました

2016年8月23日 up

 平成28年8月6日(土)、今年もっとも暑い気温を記録した日、本学基礎看護学実習室を会場に「ケアのデザイン~手のケアを見直す~」と題した研修会を行いました。参加者は10名あまりと少なかったものの、密度の高い研修を行うことができまし。

 第1部では、「手を用いたケアを見直す」と題したテーマで、金城大学看護学部藤田三恵教授に講義を頂きました。看護師のケアの実態について文献データから、清潔ケアの実施理由は感染予防の目的が一番高く、爽快感などの快の刺激を目的としたものは1割程度であったと述べられました。清潔ケアの行う目的の中に、治療効果を高め、病気からの回復過程を促進する可能性を看護職に浸透させていく重要性について熱く語られました。

 実践例として、難病の80歳代の男性患者さん、表情も乏しく会話も困難、筋固縮もみられた方を看護学生が担当しました。学生が手浴をはじめ、手を用いたこまごまとしたケアを積み重ねていく中で、交感神経緊張状態を緩和させ、副交感神経優位な状態をつくりだし、表情が豊かになり、声を出して歌を歌われるようになりました。患者さんの変化の事実を通して手を用いた温かなケアが良い変化をつくりだす有効な方法、手を用いたケアの意義を深く理解することができました。

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 第2部では、本学の大学院看護デザイン分野、中田弘子准教授が「手のケアを見直す」と題し、脳血管障害患者の手の清潔ケアに関する研究成果を通して講義を行いました。脳血管障害患者の手の清潔を保つためのケアの優先度は決して高いとはいえないこと、それが、どれほど患者や家族の自尊心を低下させていくか、一番側にいる看護職が想像力を働かせる大事さを語られました。手の汚染状況を客観的データで示しながら、ケア方法や用具を開発し提案していく役割が看護職にあることが納得できました。研究疑問を深め、患者のより良い状態をつくりだすためのケアのエビデンスを示しながら、看護の質を高めていく方法論としても大いに学びになりました。

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 最後に、石川県立看護大学大学院看護デザイン分野が開発し製品化した手浴ベースンを用いたケアを体験し、今後の活用などについて意見交換を行いました。看護・介護に携わるスタッフの小さな気づきを、実践の事実や研究的な取り組みを通してより良いケア方法の創造へのヒントを持ち帰ってもらえる研修になったのではないかと思っています。

 第2回目は9月25日(日)13:30~「看護・介護用具のデザイン」を行います。

  ご参加お待ちしております。

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